自転車を買いに行ったとき、「700c」という表記を見て「これって何インチなんだろう?」と思ったことはありませんか。
スポーツバイクのカタログやタイヤのパッケージには「700c」「700×25C」「700×32C」といった見慣れない数字が並んでいます。日本人には「インチ」表記の方がイメージしやすいのに、なぜ自転車はこんな書き方をするのか、最初はほんとうに分かりにくいですよね。
自分も最初にクロスバイクを買ったとき、タイヤ交換のために調べ始めて「700cって結局何インチなの?」と混乱した記憶があります。インチで書いてくれれば話が早いのに、と何度思ったか。
この記事を読めば、700cが何インチにあたるのかが分かるのはもちろん、タイヤの幅の選び方や他のサイズとの違いも丸ごと理解できます。
自転車のサイズ表記はルールを知ってしまえばシンプルです。タイヤ交換も自分で選べるようになりますし、次の自転車選びもぐっとスムーズになります。
結論:700cは約27インチ(直径約700mm)のタイヤ規格
700cを「インチ」に換算するとどうなる?
まずはっきり答えてしまうと、700cは約27インチに相当するサイズです。
より正確に言うと、700cのタイヤを装着した状態での外径はおよそ680〜700mm前後になります。これをインチに換算すると約26.7〜27.6インチほど。「約27インチ」という表現が最も実態に近い言い方といえます。
ただし「ちょうど27インチ」ではないという点は押さえておくと便利です。タイヤの幅(太さ)によって外径がわずかに変わるため、25Cの細いタイヤと32Cの太いタイヤでは実際の外径が少し異なります。タイヤ幅が太くなるほど外径はわずかに大きくなるため、インチへの換算もきっちり1つの数字には落ち着きません。
それでも「700c≒27インチ」と覚えておけば、日常の自転車選びやタイヤ交換で困ることはほとんどありません。
700cという名前の意味と由来
「700c」という表記はフランス生まれのタイヤ規格です。歴史を少し遡ると、かつてフランスでは自転車のタイヤを外径(タイヤ込みの直径)ごとに分類していました。700mmという外径を基準にしたシリーズが「700番台」と呼ばれ、その中でタイヤ幅ごとにa・b・c・dというアルファベットで区別していました。
つまり「700c」の「700」はタイヤ外径のおおよその目安(ミリ単位)、「c」は当時のタイヤ幅の区分を示す記号です。現在では「c」の意味は形骸化しており、タイヤ幅は別途ミリ数で表記されています。
面白いのは、「700」という数字がそのまま正確な外径を示しているわけではない点です。700cのリム(ホイールの金属部分)の直径は実際には622mmで、タイヤを装着してはじめて全体の外径が700mm前後になる仕組みです。この622mmはETRTO(ヨーロッパタイヤリム技術機構)という国際規格での正式な数値で、自転車業界ではこちらが基準として使われています。
歴史の流れの中で「a・b・d」のサイズが淘汰され、現在は「c」だけが主流として残りました。そういう経緯があるため、「なぜcなの?」と聞かれると少々説明が長くなりますが、今では単純に「スポーツバイクの標準サイズ」を指す言葉として定着しています。
700cはロード・クロスバイクで最も普及しているサイズ
700cは現在、ロードバイクとクロスバイクのほぼ全てのモデルに採用されているホイールサイズです。街中で見かけるスポーツバイクの多くが700cですし、通勤・通学用のシティバイクにも使われているケースがあります。
700cが普及している最大の理由は、タイヤ径が大きいほど走行効率が上がるからです。ホイールが大きいと少ない漕ぎ数で長い距離を進めるため、スピードを出しやすく、長距離走行でも疲れにくい特性があります。
タイヤのラインナップも充実しており、街乗り向けから本格的なレーシングタイヤまで選び放題です。交換用タイヤも自転車店・ホームセンター・ネット通販のどこでも簡単に手に入ります。初めてタイヤ交換に挑戦する場合でも、700cのタイヤは入手のしやすさという点で非常に心強いサイズといえます。
700cのサイズ表記をわかりやすく解説
「700」と「c」それぞれが表す意味とは?
「700c」の読み方をもう少し丁寧に整理します。「700」はタイヤ外径のおおよその目安をミリ単位で示した数字で、「c」は前項で説明したフランス式の幅区分の名残です。
実際のリム径(金属ホイールの直径)はETRTO規格で622mmと定められています。タイヤを取り付けた状態でタイヤ幅の分だけ外径が大きくなるため、最終的な外径が約700mmになるという仕組みです。
「700」という数字はあくまで目安であり、実際には「リム径622mm」という数字が互換性の確認に使われます。タイヤ選びの際は「622」という数字が一致しているかを確認するのが確実です。ネット通販でタイヤを検索するときも「700c」で十分ヒットしますが、迷ったときはETRTO表記の「622」で絞り込むと確実です。
25Cや28Cなど「タイヤ幅」の数字との違い
「700×25C」「700×28C」「700×32C」のような表記を見たことがある方も多いと思います。この「×」の後ろにある数字がタイヤの幅(断面の太さ)をミリ単位で示しています。
「700」がホイールのサイズ(直径)、「25C」「28C」「32C」がタイヤの幅です。前者は互換性を決める大事な数字で、後者は乗り心地や用途を左右するサイズです。
タイヤ交換の際は、まず「700c」であること(リム径622mm)を確認し、次に自分の用途に合ったタイヤ幅を選ぶという手順になります。幅の数字だけ変えても、ホイールとタイヤの基本的な互換性には問題ありません。ただし、フレームやリムとの相性(クリアランス・リム幅)は別途確認が必要で、この点は後ほど詳しく説明します。
ETRTO表記・フレンチ表記・インチ表記の読み方早見表
自転車のタイヤには国や規格によって複数の表記方法があります。同じタイヤでも書き方が異なるため、最初は混乱しやすい部分です。以下の表で主要な表記方法を整理します。
| 表記方法 | 表記例 | 意味 | 使われる場面 |
|---|---|---|---|
| ETRTO表記(国際規格) | 25-622 | タイヤ幅25mm × リム径622mm | タイヤの側面に必ず記載 |
| フレンチ表記 | 700×25C | 外径700mm × 幅25Cサイズ | スポーツバイク用タイヤのパッケージ |
| インチ表記 | 27×1インチ | 外径27インチ × 幅1インチ | 旧式の27インチ自転車・英米圏 |
| ISO表記 | 622×25 | リム径622mm × タイヤ幅25mm | ETRTOとほぼ同義で使われる |
自転車を長く使っていると、これらの表記に同時に遭遇することがあります。タイヤの側面を見ると「700×25C」と「25-622」の両方が書いてあることが多く、どちらも正しい表記です。
互換性を確認するうえで最も信頼できるのはETRTO表記の「リム径(ビード径)」の数字です。700cの場合は「622」、この数字が一致していれば基本的に装着できます。パッケージに「700c」とだけ書いてあっても、側面のETRTO表記に「622」とあれば安心して選べます。
インチ表記の「27インチ」はリム径が630mmで、700c(622mm)とは異なります。見た目はほぼ同じに見えても互換性がないため、混同しないよう注意が必要です。この違いは後のセクションで詳しく解説します。
700cと27インチ・26インチ・650Bのサイズ比較一覧
スポーツバイクでよく使われるホイールサイズをまとめて比較します。
| サイズ名 | リム径(ETRTO) | 外径の目安 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 700c | 622mm | 約680〜700mm | ロード・クロスバイク・グラベル |
| 27インチ(旧式) | 630mm | 約685〜690mm | 旧来のスポーツ車・ランドナー |
| 26インチ | 559mm | 約560〜590mm | MTB・旧来のシティバイク |
| 650B(27.5インチ) | 584mm | 約650〜680mm | MTB・グラベルバイク・小柄な方向けロード |
| 29インチ(700c互換) | 622mm | 約740〜760mm | MTB(リム径は700cと同じ) |
この表を見ると、700cと29インチはリム径が同じ622mmであることが分かります。ロードバイク・クロスバイク用のホイールをMTB用の「29er」として使っているケースもあり、規格上は互換性があります。ただし、タイヤ幅の許容範囲やフレームのクリアランスが大きく異なるため、実際には専用のタイヤを使うことがほとんどです。
27インチはリム径が630mmと700c(622mm)より8mm大きく、見た目のサイズはほぼ同じように見えます。しかしタイヤは互換性がないため、27インチのホイールに700cのタイヤは装着できません(逆も同様)。古い国産スポーツ車やツーリング車には27インチが使われていることがあるため、タイヤ交換の際はリム径の確認が欠かせません。
26インチはリム径559mmで、700cよりかなり小さいサイズです。マウンテンバイクや折りたたみ自転車に多く使われており、街乗りや悪路走行向けです。
700cタイヤの特徴と走行性能
タイヤ幅(25C・28C・32Cなど)で変わる乗り心地
700cのタイヤを選ぶとき、最初に迷うのがタイヤ幅です。同じ700cでも、細い25Cと太い32Cでは乗り心地がかなり変わります。
| タイヤ幅 | 主な特徴 | 乗り心地 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| 23C(23mm) | 超軽量・細い | 硬め・振動を拾いやすい | レースや高速走行重視 |
| 25C(25mm) | 軽量・細め | やや硬め | ロードバイク・スピード重視 |
| 28C(28mm) | バランス型 | 適度なクッション | 通勤・ロングライド・クロスバイク |
| 32C(32mm) | 太め・安定感あり | 柔らかめ・快適 | 荒れた路面・グラベル・荷物積載 |
| 35C以上 | 太い・オフロード向き | 柔らかい・衝撃吸収に優れる | グラベルバイク・未舗装路 |
通勤・街乗りなら28Cが最もバランスが良く、初心者にもおすすめのタイヤ幅です。
25Cはロードバイクのレース用として長らく主流でしたが、近年は28Cや30Cへのシフトが進んでいます。理由は太めのタイヤほど空気量が増え、適切な空気圧で走ると転がり抵抗が意外と小さくなることが分かったからです。スポーツバイクの世界では「細いほど速い」という常識が更新されつつあります。
自分がクロスバイクに28Cを入れているのも、通勤路の段差や歩道の荒れた舗装面で振動を吸収してくれるからです。細すぎると段差のたびにお尻に響いてきますし、太すぎると今度は漕ぎが重くなります。28Cはその中間点として、多くの場面で使いやすいサイズといえます。
タイヤ幅が変わると加速性能・パンクのしやすさも変わる
タイヤ幅は乗り心地だけでなく、加速性とパンクのリスクにも影響します。
細いタイヤは軽くてホイールが軽快に回るため、加速時のレスポンスが良い傾向があります。一方で路面との接触面積が小さいため、小さな段差や鋭利な異物に当たったときにパンクしやすいという側面もあります。
太いタイヤは接触面積が広くなり、路面の異物を踏んでもパンクしにくい傾向があります。空気量が多い分だけ内部の緩衝効果も高く、リム打ちパンク(段差でチューブがリムに挟まれるパンク)も起きにくくなります。ただし重量が増えるため、加速時には若干の重さを感じます。
日常の通勤や街乗りでパンクのリスクを減らしたいなら、28C以上を選ぶのがおすすめです。自分でタイヤを選ぶときは「加速性・軽さ」と「快適性・パンク耐性」のバランスをどこに置くかが選択のポイントになります。
また、空気圧の管理もパンク頻度に大きく関わります。規定の空気圧より低い状態で走り続けると、どんなに太いタイヤでもリム打ちパンクのリスクが上がります。週に1度は空気圧を確認する習慣をつけることが、タイヤを長持ちさせる基本です。
700cと27インチはほぼ同じ?互換性と違いを解説
「700cと27インチはほぼ同じサイズと聞いたけど、タイヤを流用できる?」という質問をよく見かけます。外径の見た目がほぼ同じなので混乱するのも当然です。
結論から言うと、700cと27インチはリム径が異なるため、タイヤに互換性はありません。
700cのリム径はETRTO規格で622mm、27インチのリム径は630mmです。この8mmの差は、タイヤを取り付けるビード(タイヤの端の部分)の直径の違いを意味します。700cのタイヤを27インチのホイールに装着しようとしても、ビードがリムにはまらないため取り付け自体ができません。
ホイールの外径は非常によく似ており、走行中に並べて比べないと見分けがつかないほどです。しかし互換性は一切ない、という点だけはしっかり覚えておきましょう。
古い国産スポーツ車やランドナーには27インチが使われているケースがあります。そのような自転車のタイヤ交換をする際は、必ずタイヤの側面やホイールのリムに記載されたサイズを確認してください。「630」の記載があれば27インチ用タイヤを選ぶ必要があります。
700cと26インチの違い|用途・走行感を徹底比較
26インチはかつてマウンテンバイク(MTB)の標準サイズとして世界中に普及したホイール規格です。リム径は559mmで、700c(622mm)より63mmも小さくなります。
外径の差は見た目にも明確で、26インチのホイールは700cより一回り小さく見えます。走行特性も大きく異なり、小径の26インチは小回りが利き、悪路での安定性が高い傾向があります。
一方で700cは大径ホイールのメリットとして、直進安定性が高く、少ない力で速く走れる特性があります。舗装路の平地を気持ちよく走るなら700cの方が向いています。
用途で考えると、山道や未舗装路を走るMTBには26インチが適しており、舗装路の通勤・ロングライドには700cが適しています。現在は26インチMTBのタイヤが若干入手しにくくなっている面もあり、新たに購入するなら700c(グラベルバイク)や650B(27.5インチ)の方が選択肢が豊富です。
700cと650B(27.5インチ)の違いと選び方
650Bはリム径584mmで、700cと26インチの中間に位置するサイズです。マウンテンバイクでは「27.5インチ」とも呼ばれます。
近年はグラベルバイクや、小柄なライダー向けのロードバイクに650Bが採用されるケースが増えています。700cより外径がやや小さい分、フレームサイズを小さくしても適切な足付きが確保しやすく、身長の低い方でも無理のないポジションで乗れるメリットがあります。
グラベルバイクで700cと650Bを使い分ける文化も広まっており、同じフレームに700c×40Cと650B×47Cの両方を装着できる設計の自転車も登場しています。タイヤを細くしてスピードを出したいなら700c、太くして悪路安定性を高めたいなら650Bという使い分けができます。
通勤・街乗りで自転車を買う場合は、700cが無難な選択です。タイヤの種類が豊富で交換用部品も手に入りやすく、長く使い続けやすいサイズといえます。
700cのサイズ選びで失敗しないポイント
身長・体格に合った700cフレームサイズの選び方
700cのホイールを使う自転車を選ぶとき、ホイールサイズと同様に重要なのがフレームサイズです。同じ700cでも、フレームが大きすぎると足がつかず危険ですし、小さすぎるとポジションが窮屈になります。
クロスバイクやロードバイクのフレームサイズはメーカーによってS・M・Lや、435mm・480mm・520mmといったシートチューブ長(サドル下のフレームの長さ)で表記されています。
| 身長の目安 | フレームサイズの目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 155cm未満 | XS・430mm以下 | 足付きを重視。700cより650Bも検討 |
| 155〜165cm | XS〜S・430〜465mm | クロスバイクはSが多い |
| 165〜175cm | S〜M・465〜500mm | 最もラインナップが豊富な帯域 |
| 175〜185cm | M〜L・500〜535mm | 標準的なMサイズで対応可能なことが多い |
| 185cm以上 | L〜XL・535mm以上 | 大きめサイズは選択肢が限られる場合も |
身長だけでなく、股下の長さ(またの高さ)で選ぶとより正確なサイズが分かります。股下を測る方法は、壁に背を向けて立ち、本を股に挟んで水平に持ち上げた状態で床からの高さを測るだけです。この数値に0.875を掛けると適切なサドル高の目安になります。
フレームサイズはあくまで目安です。試乗できる場合は必ず乗って確かめ、体に無理のないポジションがとれるかを確認してください。
スタンドオーバーハイト・サドル高・ハンドル距離のチェック方法
自転車のサイズが合っているかを確かめる方法として、3つのポイントをチェックすることをおすすめします。
スタンドオーバーハイトとは、自転車にまたがった際のトップチューブ(フレームの上の横棒)と股の間の隙間のことです。足が地面についた状態でトップチューブとの間に2〜5cm以上の余裕があれば、緊急停車時に安全に足をつけます。この隙間がないと、急停車時に股を強打するリスクがあるため要注意です。
サドル高はペダルを最下点にしたとき、ひざが軽く曲がる程度が基本です。サドルが低すぎると力が入らず疲れやすく、高すぎると落車のリスクが上がります。サドル高は乗り始めてから微調整できるので、購入後に少しずつ自分に合わせていきましょう。
ハンドル距離(リーチ)は前傾姿勢の深さに関わります。ハンドルが遠すぎると腕や肩が疲れ、近すぎると窮屈で漕ぎづらくなります。クロスバイクはある程度ステムを交換して調整できますので、購入後に調整する余地があるという点も覚えておくと安心です。
街乗り・通勤・ロングライドなど用途別の最適タイヤ幅
用途によって最適なタイヤ幅は異なります。自分がどういう使い方をするかをイメージしながら選んでください。
- 街乗り・通勤メイン:28C〜32Cがおすすめ。段差や荒れた路面に対応しやすく、パンクリスクも低め。快適性と実用性のバランスが取れています。
- ロングライド・サイクリング:25C〜28Cがおすすめ。軽さと快適性のバランスが良く、長距離でも疲れにくい走りが実現できます。
- グラベル・未舗装路も走る:32C〜40Cがおすすめ。太めのタイヤで安定感を確保し、荒れた路面でも安心して走れます。
- スピード重視・レース志向:23C〜25Cがおすすめ。軽量で転がり抵抗が少なく、スピードを追求できます。ただし快適性は下がります。
通勤で毎日使うなら、パンク耐性が高いタイヤを選ぶことが長い目で見てコスパに優れます。パンクのたびにチューブを交換すると費用もかかりますし、出勤前に修理する羽目になると本当に困ります。28C以上のパンク耐性モデル(Continental GrandPrix 5000や Schwalbe Marathon Plusなど)を選ぶと、年間のメンテナンス費用を大きく抑えられます。
タイヤ交換時に数字が合っていても失敗するケースとは?
「700cのタイヤを買ったのに取り付けられなかった」「入れたら擦れる音がする」というトラブルは意外と多いです。タイヤのサイズが合っていても失敗するケースがいくつかあります。
まず多いのが、フレームのクリアランス不足でタイヤが収まらないケースです。フレームとタイヤの隙間(クリアランス)はモデルによって大きく異なります。スポーツロード向けのフレームでは25C前後しか収まらないものもあり、太いタイヤを入れようとするとフレームや泥よけに接触してしまいます。
チューブのサイズミスも見落としやすいポイントです。タイヤだけ買い換えてチューブは古いものを流用した場合、チューブのサイズがタイヤ幅に合っていないと空気が入りにくかったり、偏りが出たりすることがあります。
タイヤのビード(縁の部分)の素材にも注意が必要です。ワイヤービードのタイヤは安価ですが、取り付け作業に力が要ります。ケブラービード(フォールディングタイヤ)は軽くて柔らかく取り付けやすいですが、価格は高めです。初めてタイヤ交換に挑戦する場合は、ビードの素材が柔らかいモデルを選ぶと作業がしやすくなります。
リム幅・フレームクリアランスとタイヤサイズの相性確認
タイヤを選ぶ際に見落とされやすいのが、リム幅との相性です。リム(ホイールの金属部分)には「内幅」という概念があり、タイヤの太さに対して適切な内幅のリムを選ぶ必要があります。
内幅が狭いリムに太いタイヤを装着すると、タイヤの形状が変形してしまい、本来の性能が発揮できません。逆に内幅が広いリムに細すぎるタイヤを使うと、コーナーで不安定になる場合があります。
ETRTO(国際規格)では以下のような目安が定められています。細い25Cタイヤには内幅15〜17mmのリム、太い32Cには内幅17〜19mmのリム、グラベル用40Cには内幅21mm以上のリムがそれぞれ推奨されています。
既存の自転車のタイヤ幅を変える場合は、リムの内幅を確認してから選ぶのが安全です。リム内幅はホイールのメーカーサイトやホイール本体の刻印で確認できます。分からない場合は自転車ショップで聞けば教えてもらえますし、相談のついでにタイヤの選択肢も教えてもらえます。
よくある質問(FAQ)
Q. 700cは何インチですか?簡単に教えてください
700cは約27インチに相当するホイール・タイヤの規格です。
正確には「ちょうど27インチ」ではなく、タイヤ幅によって外径が変わるため「約26.7〜27.6インチ」の範囲に収まります。「700c≒27インチ」と覚えておけば日常の自転車選びで困ることはありません。
ただし、旧来の「27インチ(リム径630mm)」とは互換性がないため、タイヤ交換の際は注意が必要です。タイヤの側面のETRTO表記で「622」という数字を確認するのが一番確実な方法です。
Q. 700cと28インチ・29インチはどう違いますか?
28インチは実はETRTO規格上では700cと同じリム径622mmです。ドイツなどヨーロッパ圏では700cを「28インチ」と呼ぶことがあり、表記が違うだけで同じホイールを指しています。輸入車のスペック表などで「28インチ」と書いてある場合は700cと読み替えて問題ありません。
29インチもリム径は622mmで、700cと互換性があります。29インチはMTB用の大径ホイールとして普及しており、主に太いタイヤ(2インチ前後)と組み合わせて使います。ロードバイクの700cと同じリム径であることを利用して、29インチMTBホイールに細いタイヤを入れることも可能ですが、フレームとの相性確認は必要です。
まとめると、28インチ≒700c、29インチも規格上は700cと同じリム径という関係になります。
Q. 700cのタイヤは自分で交換できますか?費用はいくら?
700cのタイヤ交換は自分でできます。最初は少しコツが要りますが、工具があれば30〜60分程度でできる作業です。
必要な道具はタイヤレバー(300〜500円程度、3本セット)とフロアポンプ(2,000〜5,000円程度)です。タイヤレバーはすでに持っている方も多いと思います。
費用の目安として、タイヤ本体は用途と品質によって異なります。安いタイヤは700c用で1本800〜1,500円程度から、パンク耐性の高い中級品は2,500〜4,000円程度、ハイエンドのロードタイヤは5,000〜10,000円以上になることもあります。チューブは1本500〜1,200円が相場です。
ショップに依頼する場合はタイヤ代+工賃(500〜1,500円程度)がかかります。自分でやれば工賃の節約になりますし、一度やり方を覚えれば次からはずっと自分でできます。動画で作業手順を確認してから挑戦すると、最初のハードルがぐっと下がります。
Q. 身長が低くても700cの自転車には乗れますか?
乗れます。ただし、身長155cm未満の方はフレームサイズ選びに特に気をつける必要があります。
700cのタイヤはホイール径が大きいため、小さいフレームにも限界があります。XXS・XSサイズのフレームでも身長150cm程度まで対応しているモデルは多くありますが、150cm未満になると選択肢が絞られます。
その場合は650B(27.5インチ)ホイールを採用した小柄な方向けロードバイクやグラベルバイクも検討に値します。大手ブランドも身長の低いライダー向けのラインナップを充実させており、快適に乗れる自転車は必ず見つかります。
購入前に必ず試乗し、両足がしっかり地面につくか(またはつま先が地面に触れる程度の余裕があるか)を確認してください。通販で買う場合は、スタンドオーバーハイトとサドルの最低高を確認することを強くおすすめします。
まとめ:700cは約27インチ・用途に合わせてタイヤ幅を選ぼう
700cについて、サイズの意味から走行性能、選び方まで一通りお伝えしました。最後に重要なポイントを整理します。
700cは約27インチに相当するホイール規格で、ロードバイクとクロスバイクに最も広く使われているサイズです。正式なリム径はETRTO規格の622mmで、タイヤ選びの際はこの数字を基準に確認すると間違いがありません。
「700c」という名前はフランス語由来で、「700」がおおよその外径(mm)、「c」が当時のタイヤ幅区分の名残です。現在は「c」だけが残って一般的なスポーツバイク用ホイールを指す言葉として定着しています。
同じ700cでも「27インチ(リム径630mm)」とは互換性がないため、タイヤ交換の際は側面のETRTO表記を確認する習慣を持つと安心です。26インチ(559mm)や650B(584mm)とも異なるサイズで、ホイールとタイヤは規格が一致しないと装着できません。
タイヤ幅は用途に合わせて選ぶのが基本です。通勤・街乗りには28Cが使いやすく、スピード重視なら25C、快適性・荒れた路面対応なら32C以上が向いています。フレームのクリアランスとリムの内幅を事前に確認してから選べば、交換後のトラブルを防げます。
タイヤ交換は自分でも十分できる作業です。タイヤレバーとポンプがあれば、初めてでも30〜60分で完了します。工賃を節約しながら自分の自転車をメンテナンスする習慣をつけると、自転車との付き合い方がもっと楽しくなります。

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